東京プロトコロ 第7回 テーマ「嘘」

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私には、陽子というロシア顔のかわいらしい女の子のお友達がいます。
オシャレで、かわいくて、おもしろくて、やさしくて、柔軟で、強くて、ビールが好きで。
私は彼女の魅力を108個いえます。(面倒だから今はいいません)

煩悩の数ほどのステキ要素を持つ彼女とは、17の時、専門学校で知り合いました。
始めてあった時のことを今でも鮮明に覚えています。

初日、まだパラパラとしか集まっていない教室に、私は入りました。
そして、徐々に席が埋まって行き、もうすぐオリエンテーションが始まるというころ、陽子はそそくさと駆け込んできました。

第一印象は、とっても可愛らしい子だなぁ、でした。
あ、あと、透け透けの服を着ているなぁ、とも思いました。
そして、この時はまだ、彼女がここまで面白いヤツだなんて想像できませんでした。
そして、ここまでビールが好きな子だとも思っていませんでした。

もちろん、こうして未だに仲良くしているなんてことも、その時はまだ。

陽子は、私の後ろの席に座りました。
それから、既に話し始めていた隣と横の席にいた5人がなんとなくくっつき、その日の放課後から、私たちは一緒に行動することになりました。


あれから12年。色々なことがありました。

渋谷のカラオケで朝まで遊んで、道路をゴロゴロ転がったり、
中目に住んでいたヤツの家に夜中おしかけて暴れたり、
3軒ハシゴしても、あんたずっとビールじゃないか、と笑いあったり、
私がセッティングした合コンで待ち合わせ場所にいったものの、イメージとちがうと、お腹がいたくなったことにして、女子飲みにしたり、
同じバイトで働いた事もあったなぁ。
陽子の家のお風呂場の黒い虫を長い棒で退治したりもしたっけ。
これまで、陽子が好きになった人のことも全部覚えているよ。

いっぱい話して、いっぱい笑って、いっぱい悩んで、そして何回か、陽子の涙も見てきました。

いつも優しくかわいくて、そして、おしゃれで面白くて、ビールが大好きで。
陽子には、絶対に大好きな人と一緒になって、幸せになってほしい!
ずっと、そう思っていました。


そんな陽子から、昨日、とってもうれしいお知らせを受けました。
それを聞いた時、私は素直に嬉しかったです。

昨日は、私たちが以前から企画していた、みんなでアフロを被って白木屋で飲もう、というアフロ会でした。
愉快な仲間達が30人ほど集まり、それぞれ思い思いのアフロを被って、アフロのイメージキャラクターがいる(?)モンテローザ系で楽しい宴が催されたわけです。

はじまってから、約1時間くらいたった時、
陽子は、なんだかかしこまり、一瞬、空気が変わったのがわかりました。
次の瞬間、向かいにいた私は、突然、陽子から、嬉しいお知らせを受けたのです。

陽子、本当におめでとう!


陽子は、大好きなビールを一口飲み干し、そして、こう言いました。

「ビールは、うまい!」


陽子、おめでとう!
陽子、おめでとう!

ビールがうまくて何よりよかった!

陽子のビール好きは異常です。
飲みにいくと最初から最後までずっとビールです。
米どころ新潟県の出身なのに、ビールです。
2、30杯飲めちゃう子なんです! それが陽子です!

専門学校時代から、今までずっと見てきましたが、陽子のビール好きは変わりません。

私は、そんなビール好きの陽子が言った一言が、とっても嬉しかったのです。
ずっと仲良くしてもらって、そして昨日なにげなしに言ったその一言がとても嬉しかったのです。


あ、陽子を知ってる人も知らない人も、きっとみんな、陽子が結婚するのかって、
そう思ったかも知れません。(それだったら思惑どおりです)

今回、テーマが「嘘」ということだったので、私はどんな嘘を書こうかと考えました。

でも、ここまで書いたことは全て本当の事です。
嘘は一つもありません。

陽子は、ビールが好きです。
そして昨日、私に嬉しいお知らせとして、「ビールがうまい!」といいました。

今回のコラムについて、私が意図しようとしたことがうまく伝わっていなかったら、
それは私の文章力のなさですね。すみません。


これを、陽子に読んでもらいたいと思って書きました。
実は、陽子に伝えたいことがあったからです。
何でも話して来た陽子に、私は今までずっとついていた嘘が一つあったんです。
あ、これは本当です。


私、実は、
「ディズニーランドに一人で行ったことなんてありません」
アレ、嘘なんだ。ごめんね。

今、始めて打ち明けました。

何度か、話題にあがってきた私の一人ディズニー話なんだけど、
確かに私はディズニーが大好きで、人よりも確実に行ってます。
その大好きさをアピールしていると、決まって陽子は、
「桜井は一人で行ったことあるもんね」
と、ディズニー好きアピールを後押ししてくれました。
そして、その言葉で何度となく話が跳ねました。

いつからそうなったのか、私がそう言い始めたのか、話の流れで面白いと思って私がついつい盛っちゃったのか、もうそれさえも分からないほど当たり前になっていたけれど、
あれ、嘘なんです。

否定する(真実をいう)きっかけを失ったまま、私が一人ディズニー経験者ということになって、
かなりの年月が経ってしまいました。

ごめんね陽子。

でも、どうかこれからも、みんなの前で、
ビッグサンダーマウンテンに一人で乗って、隣の人にナンパされたっていう、私の嘘の話をみんなの前でしてください。
そして、私のディズニー好きアピールをいつものように手助けして下さい。

>陽子へ
これを読んだらメールください。えへへ。

ごめんなさい、ナンパされた話は今、盛りました。
でも、今度から、それも上乗せしてナイスアシストしてくださいね。

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