プロトコラム 第5回 テーマ「チョコレート」

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「バレンタイン終了のお知らせ、って連絡網で回ってきたっけ?」

 

こんにちは。早川阿栗といいます。このコラムも第5回目ということで、今回のテーマは2月らしく、「チョコレート」になってます。

 

チョコレートについて文章を書くような機会ってのもそうそうないわけで、でも僕たちは日々チョコレートを食べながら、そしてその恩恵を受けていることにたいした自覚もないまま、消費者という無責任な立場にただただ甘んじ、チョコレートに対して感謝するわけでもなく漠然と生きているわけで、それが我々人類がチョコレートと共に生きるってことの残酷さでもあるのかもしれないな、って戦慄を感じることもままあ

って、途中でぶった切るけど、ままあ、のところでぶった切るけども、それ、チョコレートをどの位置に捉えているんだ、って話ですし、お前はお菓子メーカーの人なのか、って感じなんですけども、チョコレートってなんだかんだ言ってもおいしいですよね。

いきなり、かなり大味な発言に落ち着いてしまいましたけれど、うまいんだもん、しょうがない。でもね、なんか、子供のころは、ほかのお菓子が圧倒的に好きすぎて、むしろお菓子好き好きランキングではかなり低かったんですけど、大人になると、チョコレートのランキングがかなり上がっている感じがしますね。かつてランキング上位だったものが軒並み脱落して、いわゆる駄菓子たちなんか、もう今では、あれなんだったんだ、って感じがします。

ねえ、何なの? ねるねるねるね、って。どういうことなの? ねるねるねるね、って。何がおもろしろいの? ねるねるねるね、って。いいの? そんなにねるねるしていいの? いや、ほんとね、もし僕に今子供がいて、ねるねるねるねで、ねるねるねるねをしてたら、絶対に、ねるねるねるねするな、って言いますもん。ねるなねるなねるなにしとけ、って言いますもん。

 

ね るねるねるね、って言っときゃいいと思っての、結果、言いますもん、終わりですよ。だけどね、息子に、ねるねるねるねするな、って言うなんて、完全にねる ねるねるね側の土俵に乗ってるってことなんですよ、説得力なくなるわけなんですよ。ねるねるねるね側の土俵の意味もわかりにくい感はありますけども、ま あ、子供のころって、お菓子とおもちゃが一体となっている部分はありますよね。食玩っていうやつもそうだし、駄菓子屋に買い物に行くなんて遊びのひとつで すから。いろいろな駄菓子がありましたよね、昔は。なんか、同じ系統のお菓子で言うと、泡がむくむく出てくるソーダのやつとか、スポイト垂らしてつぶつぶ のゼリーを作るやつとか。

僕 は子供のころ、すごい理科が嫌いで、実験ももう面倒だわ、ビーカー持ちにくいわ、プレパラートのカバーガラスは割れやすいわ、上方置換の実験では、アンモ ニアを吉岡のおしっこの匂いだ、とか言ってはしゃぐわ、酸化鉄の実験では山口のちりちり頭と同じやつ! とか言ってはしゃぐわ、って、最後のほうむしろは しゃいでばかりじゃないか、って話ですけど、いや、ほんとにね、とにかく理科が嫌いだったので実験そのものだって全然おもしろくなかったんですけど、どこ か実験めいたお菓子は楽しかったです。

 

そ んなお菓子が大好きだったころって、やっぱりいわゆる板チョコみたいな、基本的でスタンダードなチョコレート菓子って特に好きじゃなかったわけなんですけ ど、それでもやっぱり子供ながらに、バレンタインの存在を知ったら、すげーどきどきするじゃないですか。どうやらバレンタインってのがあるらしいぞ! そ んな噂がどこからか入ってきたわけです。

っ てまあ、完全に母からの情報なんですけど。バレンタインだからチョコ買ってあげるよ、と買い物中に言われた小学生の僕は、まるで意味もわからない横文字 に、なんだ、そのルールは! と子供ながらに思ったわけで、いや、じゃあ、チョコじゃなくて、ゲームがいいんだけど、と絶対思ったはずなんですけども、ボ コスカウォーズが欲しい、と思ったはずなんですけども、いや、ボコスカウォーズはすでに持っていて、そのボコスカウォーズは希代のクソゲーで、ボコスカし たいのに全然ボコスカできないゲームで、何故か説明書に歌詞が載っていて、それをゲーム中の音楽に合わせて歌おう、という趣旨になっていて、そんなの歌っ てみたところで全然うれしくないんですけども、そんなこんなで、結果、子供心に最高に傷ついたゲームだったんですけど、今、無理やりボコスカウォーズのエ ピソードを盛り込んでいますが、そしてあまりの時代の古さと、クソゲーぶりに9割以上の方には伝わらないかもしれないという不安はあるんですけども、ま あ、簡潔に言うと、バレンタインにチョコがもらえる! というのは母から知った、って話なんです。

 

あとエイプリルフールもね、完全に母発信だったんですけど、僕はまだ春休み中の41日 にね、母は仕事していたので出かけなくちゃいけないはずなんだけど、その日、母がいきなり、今日、お母さん、お仕事休みだから、と朝ごはんのときに言うん ですよ。えー! 嘘! やったー、お母さん休みだから、ボコスカウォーズ一緒にできるじゃん! って思ったんですけど、いや、思ってないし、そもそもボコ スカウォーズは二人プレイとかじゃないし、そんなにボコスカウォーズのことを推したくないし、っていうか、一緒にできたとしても、二度とボコスカウォーズ はやりたくない! ってくらいに子供心に最高に傷ついたゲームだったんですけど、仕事休みなんだー! と思って喜んだ瞬間に、母が、今日、エイプリルフー ルでしたー! って言ったんです。

出 た! 母の横文字! こちとらまだ英語の授業始ってねえぞ、カタカナと言えば、ぎりぎり、ジョア、ならわかるぞ、毎朝届くからな、っていう話ですよ。なの に、いきなりのエイプリルフール発言。小学生とかもっと幼稚園のころから英語に慣れ親しませる、なんて発想さえない時代の、しかも住んでるところは片田舎 ですよ。なのに、何、その説明不足。アカウンタビリティが欠如してるんじゃねえのか、って話ですよ。

え?  アカウンタビリティって何? って、自分でもあまりの横文字ぶりにびっくりしているわけですけども、今ならジョアに加えてミルミルもわかるぞ、っていう 矜持だけはあるんですけども、ほんとね、いきなり、エイプリルフールだから、って言われても、僕にはまるでぴんときてなくて、頭の中ではまだ、あ、エイプ リルフールだからお母さん、お仕事お休みなんだ、って思ってるわけなんですよ。もうね、これだからね、わかっていない人に対して説明するってのは難しいん ですよ。じゃじゃーん、嘘でした! ってのをまず言うべきなのに、じゃじゃーん、今日はエイプリルフールでした! って言っても、わけがわからないわけで すよ。

で まあ、完全にきょとんとしていた僕は、母から説明を受けて、あ、結局お母さんはお休みじゃないんだ、って一瞬でも喜んだだけに、ボコスカウォーズのくだり 以上に傷ついたんですけども、そこでエイプリルフールの仕組みについて学んだ僕は、その日、夕方に仕事から帰ってきた父に、お腹痛い、お腹痛い! とのた うちまわって心配させた直後に、じゃじーん、嘘でしたー! エイプリルフールでした! と母よりもスムーズな、嘘の実行、ネタばらし、という流れを披露し たところ、びんたされて怒られた、っていう話なんですけども、むしろ本当にお腹痛かったほうがよかったんじゃねえか、って話なんですけども、なんだよ、全 然エイプリルフールいいことねーじゃん! って同じ日にまた最高に傷ついたんですけども、えーと、この話の教訓は、嘘はよくない、ってことでいいかな。

 

なんか、すごい自信のない話のまとめ方こそしましたし、そもそもが大々的な脱線話じゃないか、って感じもありますが、バレンタインはチョコレートをもらえる日、として認識されたあとって、それからの学校生活はもうどきどきですよね。

小 学校のころだって、高学年になってからは結構意識してたし、それと同時にがっかり感やらうれしかった感などは半端なかったですけど、中学校に入ってからは 自意識と期待と絶望の落差たるや、もうむちゃくちゃですよね。ほんとベタですけど、バレンタイン当日なんて、げた箱の中、どんだけ確認するんだ、って話で すよ。いや、絶対普通に手渡しするだろ、って話なんですけど。あと、机の中だって、何も入ってないんだからね! 決して、チョコレート的なものなんて入っ てないんだからね。むしろ机の中がぐちゃぐちゃでプリントとか詰め込んでるからチョコ入れにくいんじゃないか、っていう可能性すら考えているからね。もう それは、現実逃避にもほどがあるわけですよ。それはもはや剣と魔法の世界の話でしょ、ってことなんですよ。それくらいファンタジー感丸出しなわけですよ。

しかもね、これもほんとにベタなあるあるかもしれないですけど、当日の朝、出かける前に普段はつけない、校則で禁止されてるムースをつけちゃう意味がわからないから。無駄だから。合否はその日じゃなくて、その前に決まってるんだからね! 

あ、 今日のあいつ、ちょっといつもよりも髪型、ふんわりしているかも......しかも、ちゃんと分け目ある! ふんわりかつぴっちりしている! あ、よく見 たら、今日のあいつのシャツの着こなし......いいかも! やるじゃん! よし、チョコあげちゃお、ってならないからね。そんなノリはないからね。し かもシャツの着こなし、って、完全に標準服じゃん。完全なる、ど標準服じゃん。カッターシャツじゃん。どカッターじゃん。

で も、ほんとね、ムースだけじゃなくてね、バレンタインの当日、普段なら絶対めんどくさいし、しゅわしゅわして口の中が気持ち悪いとか思ってるはずのモンダ ミンとかいきなり使う意味わかんないから。何が、あ、思ったよりもしゅわしゅわしてない! なのだ、って話ですよ。ほんとね、モンダミンに対して、逆に失 礼だから。

ま あ、そういう当日の馬鹿丸だしのどたばた感こそ、今やむちゃくちゃ懐かしいですけどね。なんかね、2月といえば、一年で一番雪が降る時期だったんですよ、 今はどうかわからないですけど、僕が住んでいた地方では2月はもう雪の季節ですよ。雪降りすぎて学校休み、みたいなことが何度とかあった時代だし、学校も 厳しかったので、もう真冬なんて、指定のコートやら学生服やら、華美でないニットやらで、着ぶくれしてモコモコになってるわけですよ。

足元なんて、防水第一だし、長靴が基本ですよ。それが恥ずかしいから、どうにかしてブーツにしたい、いや、ブーツとかもよくわかんねーから、とりあえず、なんかかっこよくて長いやつ履きたい! みたいな話ですよ。でもね、黒とか茶とか以外は校則違反なわけですよ。

結 局ね、ムースつけようが、モンダミンしようがね、足元はね、すげー地味だし、全然かっこよくないんだよ! っていうか、かっこよくても、結局雪まみれだか らね。すげー寒いんだから。あと、すげー息白いんだから! ってそれ、モンダミンのせいじゃねーから。普通に長靴にも雪入ってくるから。一回靴下濡れて、 学校にいる間に一回乾かして、また濡らしながら下校、みたいなのがデフォルトだから。もしかして、家からかんじきを履いてったらウケるんじゃないかな、と 考えたこともあったんだけど、それ、本気に捉えられかねないくらいだから。まじだから。大雪降ってるときにかまくら作ってたら、なんか積もりすぎてわけわ からなくなっちゃうんだから。ちょっと! ねえ! 入口の穴が! 雪で、ふさがりそう! 全然楽しくない! なんか、これ、もう、かまくらじゃない! た だの雪の塊でしかない!

 

えー、 厳しい雪国の暮らし、みたい話になってますけど、ほんと今では温暖化のせいか、昔ほど雪が積もらなくなったし、本当に除雪やら消雪が効率良くなったせいも あるし、今の時代、校則が厳しい中でもいろいろおしゃれはできるのかもしれないですけど、当時はそういう不自由ささえも、全然不自由に思わなかったです。 なんだか、自分がモテることも、あるいはモテないことさえも、うまく想像できない中で、現実的にそのようなイベントが起こる、というふわふわとした時代 だったと今にしてみれば思うし、それもまた幸せだったな、と思うのです。そう思うのも今だからこそ、だけど。

事 実、当時の僕だって、やたらと必死だったけども。当日、学校に着いてからも、いつもはすげー寒い体育館でホームルームが始るまでやってた室内サッカー遊び もやらずにおとなしく、いつもと違う俺を演じてみせましたけど。むしろ机にべったり張り付いて、あれ? もしかして、チョコあるんじゃねえか、って感じで 机の中をごそごそしてたけど。放課後、部活終わってから、いつもよりも帰り支度ゆっくりとしてるけど。なんなら、もう一度教室戻って机の中確認するけど。 下校の道すがらも、まだバレンタインは終わってない! という心持ちだけはあるけれど。家帰ってから、もしかして電話で呼び出しあるかも、とすら思ってる けれど。ベッドに入ってからも、あれ、机の中、ちゃんと確認したっけな、とか泣きながら思ってみるけども。

もう絶対無理じゃん。絶対そこからの挽回はありえないじゃん、って話なんですけど。それこそ、その考え、チョコよりも甘いじゃん、って話なんですけど。

 

す みません、なんか、アクシデントだと思うんですけども、大変恥ずかしい終わり方をしてしまいましたので、もうちょっと続けさせてください。どうか続けさせ てください。いやいや、終わり方だけじゃなくて、全編に渡って恥ずかしいよ、という指摘には目をそらし、耳を塞ぎたい所存でありますので、続けさせてくだ さい。

で もね、そんなこと言いながらもね、チョコよりも甘いじゃん、って書き始めた瞬間、僕、にんまり笑ってた。してやったり顔さえしてた。珠玉のコラム。そんな 言葉さえ頭にちらついていたよ。そんな自分に今はただタオルを投げ入れてやりたい気持ちでいっぱいです。もうね、恥ずかしいやら、情けないやらでね、とに かく、ほろ苦い気持ちでいっぱいです。それこそ、ビターチョ


はっ! またアクシデント発生するところだった! この済んでのところでの危機察知能力! そして学習機能! 

 

い や、完全にアウトじゃないか、って話ですけど。っていうか、この流れさえ予定調和のしたり顔で書いてやってますけども。むしろ勢い余って、ビターチョコ レートと完全に単語を打つ切ったあとで、バックスペースキーで調整してみましたけど。ビターチまでにするか、チョまで書くかどうかで思案こそしてますけど も。今こそ、珠玉のコラム、って言葉が頭からちらついて離れてないわけですけども。

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